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わたしのブログ

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続きです。

今日は休みだ。久しぶりに北村の所へ行ってみようと出かけたら、後ろから若いソ連兵が銃をさかさまに肩にかけてついてくるので、手を振り帰れと身振りで示した。向こうも手を横に振って駄目だとついてくる。「イワノフの奴監視をつけたな。」と思った。
 電車が来たので私に乗れと言う身振りをする。乗るとソ連兵も私のそばについた。車掌が切符を切りに来たのでお金を出そうとすると、私の手を押さえて車掌を追い返した。「俺と同じだ。金は不用だ。」と手まねで車掌をにらみつけたので驚いていってしまった。私も電車は無料だッた。電車を降りて北村の家に行くと奥さんが出てきて「よう来てくれなはった。」と言った。後から娘たちも出てきたがソ連丙がついているので「キャー」遠くへ逃げ込んでしまった。「嫌いだぁ。変な奴連れて、怖ろしいわ。」「大丈夫だ、このソ連兵は勝手に俺についてきたのだ.みな、外で待っているだろう。あがっては来ない。心配しなさんな。」皆が「これはいったいどうなっているのょ。」と聞いてきた。私がはイワノフのことを話すとやっと安心したようだ。だが、女性は皆寒気がするほどソ連兵が嫌いなので無理のないことだ。「今度来るときは。ソ連兵はいやよ。」と千鶴ちゃんが言った。

 ソ連兵がついてきたので、近所の人たちにも迷惑をかけてしまった。イワノフに「兵隊をなぜつけたんだ。」と聞くと、「片山さん、外に出ると中国人が馬鹿にする。危ないからつけた。」「日本人の友達の家に行くと皆怖ろしがるから困る。」「じゃあ、こうしましょう。」と何か書き始めた。見ると。ゲペウ本部(秘密警察)の電話番号、四つ書いてあった。「もしも、片山さんが保安隊に捕まったらゲペウ本部のガバリッ・イワノフと言いなさい。私がすぐに迎えに行きます。この番号四つ書いてあるから、そのうちどれでも良い。電話しなさい。」それからソ連兵はついてこなくなった。


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